2011年 03月 27日
青空の向こうと、昔請けた仕事と、次のことと |
直接お手伝いには行けませんが、申し訳ないと思いつつも、無理せずに、出来る範囲のことは、お手伝いしたいと思うのではありました。
大小にかかわらず、こうした災害へのボランティア的な支援というのは、発生してから、参加しようと思ってもなかなか実効のあるお手伝いは出来ません。やはり備えがあってのことだと、今回も強く感じております。毎月の会合に参加しているグループもメンバー別にですが、これまで何度か被災地自治体の要請で現地へ出向いていますが、今回はさすがにこれまでと格段に違う規模であることや、地震被害より圧倒的津波の被害が前面に出ていることもあり、すぐには動けず状況判断待ち状態でありました。ただ、やはり待ち受けではいけないと言うことで協議をし、先週末くらいから実際の活動で動き出し始めました。
そんな動きを横目で見ながら、10数年以上も前、阪神大震災から数年後のこと、とある大手企業の震災対応の記録を整理する作業を依頼され、通信記録や指示文書、被災記録などを時系列を追ってまとめた際のことを思い出しております。
守秘義務に当たることもあるので、詳細には触れられないのですが、その企業は、自然災害を受けやすいインフラ企業で、災害対応については、常時専門の対策室を設けて、大きな災害発生時は対策本部をすぐに立ち上げる体制を整えておりました。阪神の際も、地震直後から手順通り災害対策本部を設定されていたと記憶しています。
災害対策も社内だけでなく、緊急対応する関連業者と災害対応の基本契約を締結し、契約に基づく、災害対応体制の維持のために相当の費用を常時負担されていたと記憶しています
そんな企業ですから、阪神淡路の際も、初動の体制は、通信記録から見ると多少の混乱は見えましたが、全体的には、初動の調査、応急設備の確保、駆けつけ業者との協力体制、ロジスティックスの解決、調査と並行して行う復旧計画策定など、初動24時間体制の災対本部の基に活動しておりました。あれだけの規模の災害であったにもかかわらず、多少の混乱があっても全体から見るとさすがと思わずにいられない見事なものだと資料を整理しながら感心していた記憶があります。資料をCD数枚にまとめて、お納めしましたが、そう言う記録を残しておこうと言う判断を普通にすることも企業の底力なのだと強く感じたものです。
作成した資料がその後の災害対策にどのように利用されたのかは、知ることは出来ないのですが、おそらく今回もそうした体制は生かされているのだと信じています。ただ、阪神淡路の時でも、緊急対応機材の調達はかなり苦労されていましたので、今回のように大規模広範囲だと資材、人を全エリアに展開することは難しいことは容易に推測出来ます。
そんな個人的記憶をたどりながら、このところの報道を見て、今回のこともいくつか考えさせられています。結果として、まだ物足りなさはのこるものの、国レベルでの災害対応も以前に比べれば改善しているのかと思います。海外からは評価されているらしいですね。旧態以前なのは、突発的に参加されているボランティアや、救援物資のことでしょうか。
「人」のことは、今回は触れませんが、このところ強く感じるのが救援物資のことです。相変わらず、非常救援物資のJIS規格みたいなものがないですね。バラバラに届き、仕訳をし、異形の物資の搬送も大変そうに見えるものばかりです。
搬送や貯蔵、利用しやすさを考慮した、災害用品規格を作り、これを心ある各家庭で少数常備しておく。あるいは特殊なものは、自治体や災対NPO単位でストックしておく。災害時に自身が被災した場合は、自分が利用し、他地域に発生したときは、それを寄付し被災地に提供する。搬送することを意識して大きさや収納方法を規格化すれば、搬送も用意だし、配布も単純、荷物が混載しやすければ、集積拠点を設定し、被災地への搬送課題の解決も容易です。そんなこと考えて居る方はいないのでしょうか。「やるぞ」と思いついた人が手持ちの物資を自身の手段で搬送するのも決して悪いとは思いませんが、物資の偏在や、効果的配布という面ではマイナス効果さえ想定されます。
まだまだ、被災地の支援に急を要しておりますが、これを経験として生かして行くのであれば、それぞれが次の災害対応を考えつつ今を行動することも必要なのだと、昔の仕事のことを思い出しながら、このところつらつらと思うのではありました。
秋葉@ゑこう
by akiba-echo
| 2011-03-27 07:05
| 独り言
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Comments(2)
支援物資、山口県も個人の持込が始まったので、私の場合遊休品などないので買っていかなければならないので、何をどうやって持って行ったらいいか(単位とかなどなど)聞きにいったんですが、種類だけでまったく基準なし、他の方も「適当!」あるもの、って感じでしたね。ゑこうさんのように関わった人たちが出たアイディアとかが取り上げられるのを願うばかりです。原発もそうですけど、何か問題が上がってから調べるとそれを改善すべきだという意見は前からあった、とか、そんな感じで、大事なことは国レベルで取り上げてほしいですね。自分用兼有事に送る用はなるほどでした。これから準備するこりすでした☆
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akiba-echo at 2011-03-29 05:53
支援物資というのは、一見わかりやすいけれどなかなか難しいですね。大きな災害のたびに、利用出来ない支援物資の処分が必ず話題になります。使えなかったものが、なにかに転用がきくのであれば、良いのですが、各家庭の手持ちのものというのは、一見よさそうで、実は一番難物なのだと思わずにいられません。内容が一定でないですから、余るとゴミというケースも良く聞きます。一定のルールでストックしてあるものを提供する、というようなことは、出来ないのですかね。善意と現実のすれ違いも哀しい記憶を残しますね。★ゑ