2017年 04月 03日
なんとなく社会科見学(電力エネルギー編) |
鹿児島県の川内原子力発電所が再稼動したというニュースは随分と年月を経て旧聞となってしまいました。
ベースロードエネルギー資源分散などのエネルギー資源戦略や、国内に有るものを使うという国としてのバランスシートも考慮した経済的な理由、それに、原発を終息させるためにも原子力関係の技術者確保や関連企業を稼動させてゆくことなども重要、等々と考えておりますので、自分は原発の再稼動に賛成する立場。ということで、再稼動したときは「ようやく稼動したのね」という感想です。
核廃棄物処理や災害時の汚染のリスク問題があるのは承知しておりますが、代替エネルギー開発や、終息技術を含めて原発の技術確保や人材確保は地球規模で重要ですし、単純に反対するのは好ましくありません。パチンとスイッチを切ればお仕舞いではないです。オメガ計画など頓挫した感もありますが、別な形で取り組むべきだと思いますし、資源再利用型沸騰水型軽水炉(RBWR)のような次世代型原子炉などのような技術開発も大切なような気がします。ダメだと思われているものへのイノベーションと人つくりを否定したらこの国は終わります。
まぁ、そんなことを考えながら、それほど大きな理由は無いのですが、数年前、鹿児島県内の電力・エネルギー関連施設界隈を気分転換がてらふらふらとレンタカーで走り回っておりました。
石油にガスに石炭(いじめられているけれど)とこの先もしばらく国内の電力は火力がメインであることに変わりは無いと思います。川内原発(既存1号機2号機は各89万KW、建設中の3号機は159万KW))のそばには、上写真の火力発電所(出力100万KW)などもあります。また、隣接してメガソーラー(3,500KW=晴れた日の出力でしょうね)などもあります。また、下の写真のような風力発電用風車もあります。薩摩川内市内を流れる川内川の上流には水力発電施設もあるのでした。これだけ集中すると送電システムも効率的に運用できるのでよいですね。揚水発電用ダムでも近所あれば、さらに良いかもしれません。いろいろと眺めていて、薩摩川内周辺地域は実にエネルギーの社会科見学適地なのでした。
上の写真の風車(柳山ウインドファーム)は出力2,300kWの風車が12基で合計27,600kW(うまく稼動してという数字かな)ちなみに、当方が眺めに出かけたときは、数基が停止していました。風を利用するケースでは、洋上風量発電プラントの話などが時折話題になりますが、法的な整備もされていないと聞きますし、環境評価や一番難しいステークフォルダーの調整もまだまだの気がします。
こちらは川内川中流にある、鶴田ダム。見学に出かけたときは水害防止対策の工事中で水力発電も停止しておりました。このダムに設置されている水力発電設備は最大出力で12万KWの出力があるそうです。またこの少し下流に流水量調整用のダムがあり、こちらにも1万5千KW水力発電設備があります。鶴田ダムのダム湖は九州で2番目の規模ですが、それでも12万KW程度なのですね。このダムの上流端部に以前紹介した曾木発電所の廃墟があります。
鹿児島県南部には地熱発電所もあります。上の写真は指宿市にある山川発電所の蒸気井。地中から水蒸気を取り出している井戸です。資料には蒸気井が12本あって、これから取り出した水蒸気でタービンを回し、3万KWの電力を得ています。それほど規模は大きくありませんが、安定している感じですね。周囲が割りと平坦な農地で地熱を取り出す施設を建設しやすそうな場所でした。ちなみにこの発電設備の稼動監視は、前述の川内発電所(火力の)で行っているそうです。
ベースロードエネルギー資源分散などのエネルギー資源戦略や、国内に有るものを使うという国としてのバランスシートも考慮した経済的な理由、それに、原発を終息させるためにも原子力関係の技術者確保や関連企業を稼動させてゆくことなども重要、等々と考えておりますので、自分は原発の再稼動に賛成する立場。ということで、再稼動したときは「ようやく稼動したのね」という感想です。
核廃棄物処理や災害時の汚染のリスク問題があるのは承知しておりますが、代替エネルギー開発や、終息技術を含めて原発の技術確保や人材確保は地球規模で重要ですし、単純に反対するのは好ましくありません。パチンとスイッチを切ればお仕舞いではないです。オメガ計画など頓挫した感もありますが、別な形で取り組むべきだと思いますし、資源再利用型沸騰水型軽水炉(RBWR)のような次世代型原子炉などのような技術開発も大切なような気がします。ダメだと思われているものへのイノベーションと人つくりを否定したらこの国は終わります。
まぁ、そんなことを考えながら、それほど大きな理由は無いのですが、数年前、鹿児島県内の電力・エネルギー関連施設界隈を気分転換がてらふらふらとレンタカーで走り回っておりました。
薩摩川内から少し離れていますが、エネルギー関連施設として鹿児島県内には、大規模な石油備蓄設備が3箇所あります。一つは、上の写真。鹿児島湾内の埋め立て地に建設されたENEOS系列の喜入基地。57基の大きな石油タンクで735万KLの原油を貯油できる、世界最大規模の石油備蓄基地だそうです。それでも日本の石油使用2週間程度といわれています。火力発電の燃料用に使うだけならば、一ヶ月以上の備蓄になるのかもしれません。
上の写真は、薩摩川内市にに隣接する、いちき串木野市にある「串木野国家石油備蓄基地」の地上部設備。右手の山の中(実際は写真の範囲外です)にトンネルを掘り、石油を備蓄しています。喜入の備蓄基地ほどではありませんが、幅18m高さ22m長さ555mのトンネル10本で175万KLの原油備蓄が出来るそうです。
ちなみにこのプラントに隣接してメガソーラーもあります。発電規模は控えそびれましたが、特筆するほどでもありません。ただ、人口集積地域に近いので、配電効率は悪くはないと思います。山間にもメガソーラーを良く見かけますが、送電ロスが酷そうで自然破壊だけにしか思えないメガソーラーが多い気がしますね。
なお、このほかのエネルギー源としてLNGや石炭などがありますが、これは鹿児島県内には目立ったものはありません。
余談になりますが、原発やエネルギー関連施設があると、直接的な事業投資だけでなく、迷惑料的な資金投入も目立ちます。上の写真は、いちき串木野の漁港に面した小島にある神社への参道の橋ですが、電源開発補助金により立て替えられておりました。勿論、ごく端緒で、道路や社会的なインフラについても格段の投資がなされていることは言うまでもありません。否定的なご意見があっても、こうした周辺投資がないと生きてゆけないくらいの経済事情になっていると容易に推測できますね。
ただ、こうしたお金の使い方はそれほど悪くも無いのかと思ったりもします。お金を使うのは国内ですし、その売上げは国内で回ります。お金は回って何ぼのものだと思いますので、まわせるテーマがあればまわしたほうが経済を刺激してよろしいのではないかと、鹿児島県内のエネルギー関連プラントを見ての正直な感想でした。
※この記事は随分前に下書きしたもので、数字などは古いかもしれません
☆ゑ
ちなみにこのプラントに隣接してメガソーラーもあります。発電規模は控えそびれましたが、特筆するほどでもありません。ただ、人口集積地域に近いので、配電効率は悪くはないと思います。山間にもメガソーラーを良く見かけますが、送電ロスが酷そうで自然破壊だけにしか思えないメガソーラーが多い気がしますね。
なお、このほかのエネルギー源としてLNGや石炭などがありますが、これは鹿児島県内には目立ったものはありません。
ただ、こうしたお金の使い方はそれほど悪くも無いのかと思ったりもします。お金を使うのは国内ですし、その売上げは国内で回ります。お金は回って何ぼのものだと思いますので、まわせるテーマがあればまわしたほうが経済を刺激してよろしいのではないかと、鹿児島県内のエネルギー関連プラントを見ての正直な感想でした。
※この記事は随分前に下書きしたもので、数字などは古いかもしれません
☆ゑ
by akiba-echo
| 2017-04-03 20:37
| 旅の話し
|
Comments(2)
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Artist-mi at 2017-05-01 21:36
こんばんは。
エネルギー問題は本当に難しいです。原発は最終処理の見込みがないのが致命的ですな。
最近、使用済み核燃料を一時保管プールに入れるのに「リラッキング」と云う事を随分していますね。
危険度から考えればかなり拙い方法です。全国的にかなり行われている様で心配。
根本は省エネルギー生活形態の推進しかありません。一人ひとりの人間として欲望を押さえる事の
大切さを心に沁み込ませる様にしたいです。
地球って、そんなに大きくはないと思いますよ。ダイソン球でも作りますか。
エネルギー問題は本当に難しいです。原発は最終処理の見込みがないのが致命的ですな。
最近、使用済み核燃料を一時保管プールに入れるのに「リラッキング」と云う事を随分していますね。
危険度から考えればかなり拙い方法です。全国的にかなり行われている様で心配。
根本は省エネルギー生活形態の推進しかありません。一人ひとりの人間として欲望を押さえる事の
大切さを心に沁み込ませる様にしたいです。
地球って、そんなに大きくはないと思いますよ。ダイソン球でも作りますか。
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akiba-echo at 2017-05-01 23:49
miさん お久しぶりです。
地球は存外小さいパイですよね。ただ、地球全体のチキンレースはもう始まっていて誰も逃げられないですね。人間の欲望と、人口の膨張に歯止めをかける方法と、チキンレースの中で科学技術の中のブレークスルーを見出すか、どちらが現実的かということを考えたら自分は後者に期待します。しくじればどこかにカタストロフがあるのでしょうけれど、この数十年くらいのスパンで、小さいパイの駆け引きをしながら生き抜くなら、今ある原発に潜在するエネルギーをチキンレースの燃料にする方が無駄にならないです。で、今あるのを燃やしている間にごみ処理方法考えるしかないです。原発は一度作ったら停止しても原発であることに変わりなく廃棄物は出ますしね。無駄な努力もあるかもしれあないけれど、害を減らす技術チャレンジを続けるしかないと思います。放射性物質の半減期を早める技術や革新的な代替エネルギーとか、崖っぷちで戦ってくれる人を育てるくらいしか望みは無いのかなぁ。まぁ、自分が学生のころは[原子力なんとか」というような学部が大学の工学系にありましたけれど、皆さん毛嫌いするから今は一つも無いらしいようだし望み無いかなぁ。。。「今の技術では制御できない」なら探さないと。
地球は存外小さいパイですよね。ただ、地球全体のチキンレースはもう始まっていて誰も逃げられないですね。人間の欲望と、人口の膨張に歯止めをかける方法と、チキンレースの中で科学技術の中のブレークスルーを見出すか、どちらが現実的かということを考えたら自分は後者に期待します。しくじればどこかにカタストロフがあるのでしょうけれど、この数十年くらいのスパンで、小さいパイの駆け引きをしながら生き抜くなら、今ある原発に潜在するエネルギーをチキンレースの燃料にする方が無駄にならないです。で、今あるのを燃やしている間にごみ処理方法考えるしかないです。原発は一度作ったら停止しても原発であることに変わりなく廃棄物は出ますしね。無駄な努力もあるかもしれあないけれど、害を減らす技術チャレンジを続けるしかないと思います。放射性物質の半減期を早める技術や革新的な代替エネルギーとか、崖っぷちで戦ってくれる人を育てるくらいしか望みは無いのかなぁ。まぁ、自分が学生のころは[原子力なんとか」というような学部が大学の工学系にありましたけれど、皆さん毛嫌いするから今は一つも無いらしいようだし望み無いかなぁ。。。「今の技術では制御できない」なら探さないと。