2009年 09月 24日
ダムの建設中止報道を眺めながら |
大型のダム建設の中止に関連していろいろと報道が為されていますけれど、今ひとつ報道が腑に落ちません。曰く「政権が変わったら頭越しに中止は許せない」「マニフェストに記載されいるからと言ってそれだけでいきなり中止はないだろう」という地元反対意見についての報道が目に付きますが、実体はどうなのでしょうか。
本質的なダム建設効用に関する報道は少なく、地域感情に関する情実報道が過ぎる気がします。
ダム建設の話がなければ、いずれの地域も、地味な観光資源しかない、今はやりの言葉で言えば、限界集落になっていそうなエリアにしか見えません。部外者から見れば、既存開発部分でも結構な地域振興政策によるインフラ投資と、既存開発部分での雇用創出など相当なものであったのではないかと、冷淡に見ることもできます。用地買収と、住居移転補償、農地補償、営業休止補償、墓地改葬補償、代替地の整備に関する補助金、道路整備、その他ハコ物…いろいろありそうですね。まぁ、ぱっと見ですけれど、域内に残留し、移転用地に転居された方のどの家も立派ですしね(苦笑)
ダム建設が地域社会を攪乱して、コミュニティを崩壊させたという、見方もありますが、話しがなければもっと衰退していたかも知れません。
そんな訳で、いくつか腑に落ちない理由を考えてみました。
その1.すでに数千億円単位の多額の税金が投入されているよねぇ。
域外のゼネコンや物品納入業者が、過半を持ち出したとしても、地元にはそれなりの金額が落ちているはずです。それすらない地域から見れば、これまでのことは垂涎のことかもしれません。「あっただけよかったじゃない」とね。だから、「国の施策変更によっては暮らし向きが立たない」という地域の方の発言があっても、それほど深刻に聞こえなかったりします。
その2.建設予定金額は、工事の進捗につれて当初予算を超えて膨れていて、このまま継続すれば、さらにふくれあがりそうな数千億円単位の多額な資金が必要でしょ。
今後も開発を進めれば、あまり効果のないものに、さらに巨額の税金や債権で調達したお金が使われます。数千人の地域住民感情はさておいて、中止コストが応分で、無駄な投資が減るのであれば、数千人の地域住民以外の、救済を必要とする人たちの自立資金に回せるかも知れません。残建設コストの、例えば、1割を中止コストに当てたとすると。それでも数百億円単位になります、これが対象地域住民一人あたりの対策コストとして人数割した場合の金額を、地域外の納税者はどう考えたらよいのでしょうね。ちなみに「道直し」などで有名になった、人口2千数百人ほどの長野県栄村の年間の予算はたしか20~30億円程度だったかと思います。
その3.治水、利水などの効果が数値として見えてこないのは何故。
治水、利水などの効果がよく見えませんね。ここは言及しづらい部分ですが、費用対効果の中で、進めるべきだとは思います。新政権は、もっと数字を出して反論して良いのではないかなぁ…
都知事の石原さんが、「あれだけ投資をしたものを途中で止めるのは非常識」的発言をしていたと記憶しているけれど、そうでもないのでは。東京都の負担分を返してもらえれば、都民としてはそれほど悪くないことだと思いますけれどね。それに、東京の水事情が悪化した時の想定もあるのなら、既存負担分は預けっぱなしで、ダムの本体工事の凍結というような逆提案もあるのではないかと、思ったりもします。
その4.このところ報道されている地元反対意見ってあれだけなのかしらね。
とくに、地域自治体長の反応ですが、ダムなどの大型施設ができなければ、これに関連して見込んでいた税収も見込めなくなりますし、ダムが嫌悪施設かどうか判断出来ませんが、そうした地域犠牲に対する、インセンティブも見込めなくなるから反対しているようにしか見えません。要はステークホルダー同志の利害調整発言にしか聞こえないのですね。
先ほど、食事中に眺めていた報道番組で、川辺川ダムの反対派住民の「中止はよろこばしい」的発言がありましたが、八ッ場ダムだって同じような方は居るのではないでしょうかね。
一般論として、こうした大型開発が農山村の地域共同体的生活社会を壊しまうことがある、ということは良く理解出来ますが、その地域の方にはこれまでの投資の流の中で取り込んだストックもあるでしょうから、他の地域に比べればまだ捨てたものじゃないと思います。地域の方にも、被害者意識ではない現在の理解と、明日への道筋を冷静に考えて頂きたいところではあります。
民主党の党員ではありませんが、当面、社会福祉などを重点とした政策にシフトしてゆくならば、マクロな視点で税金の使い方をシフトしてゆかなければならないでしょうし、そもそもマニフェストに記載されているということは、そういう視点で検討した結果なのだと、勝手に思っていますが、どうなのでしょう。情実に流されず、懐勘定で判断した方がよいと思うのは当方だけでしょうかね。利水が必要という長期的な指摘もあるようですし、自然保護などの観点もある、そんな中で、時代に即した答えを考えたいですね。
まぁ、余談ですが、昔、成田の空港反対運動に、ヘルメットを被ってよく出かけていたT君、この間あったら、空港関連会社の職員でした。「対立」なんて案外そんな所なのかと思ったりもするのではありました。
秋葉@ゑこう
by akiba-echo
| 2009-09-24 18:17
| 世の中の出来事
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